子どもの矯正
子どもの矯正について
子どもの永久歯(大人の歯)が出てくる頃は、歯にご両親の注目が集まります。
そして少しねじれていたり、とび出していると
「うちの子に矯正は必要なのかな?」
「いつから始めたらいいのだろう?」
そんな疑問をお持ちの方はとても多いと思います。
従来からの矯正治療には、永久歯の位置がずれていても、全部そろってから数本の永久歯を抜いて並べ治すという考え方が根強くあります。
よく使われる言葉としては
「永久歯がそろってから4本歯を抜いて矯正をしましょう」
「永久歯がそろうまで様子を見ましょう」
といった感じです。
私は、この考えを全く否定するつもりはありませんし、この言葉を患者さんに言うこともよくあります。
ただし、よいタイミングで相談を受けた場合には、このページの小児矯正の考え方で対応しています。
当院の小児矯正では、永久歯がある程度生えてきた段階で、ずれた歯に少しずつ修正をほどこします。
悪くなる前に、歯と顎(あご)の成長発育を利用しながら正しい位置へと誘導していくのです。
成長期に矯正を行うと、顎が成長途中のため、顎が小さければ大きくなるように広げたり、逆に成長のしすぎにならないように抑制したりすることができます。
その結果、顔の変形やゆがみを防止することにつながります。
将来の好ましい顔貌と、より安定した咬み合わせを得ることを目標にしていますので、予防矯正 ともいいます。
この時期に歯並びが悪くなる原因は主に以下の3つです。
- 歯に対して顎が小さいこと
- 顎の上下関係がずれていること
- 指しゃぶり、舌のくせなど悪習慣があること
特に、多くの子供に見られる原因は、顎が小さいことです。
小児矯正では、顎が成長発育途中なので顎の拡大が可能な場合があります。
(ただし、限界はありますので全員に適応できるわけではありません。)
顎の拡大ができれば、矯正のために永久歯を抜く確率は大幅に下がります。
永久歯が重なって生えてきても、最初からあきらめる必要はないのです。
小児矯正
アゴの上下関係がずれている場合も(特に受け口)、成長発育前のアプローチがとても有効です。
短期間アプローチするだけでも簡単に改善することもありますので、早めの相談を強くおすすめします。
(一ヶ月後)
永久歯が生えても指しゃぶりが続いていると、歯並びには悪影響が出る場合があります。
適切な時期にアプローチすることによって改善が期待できますので、なかなかやめられない子供さんには相談させていただいています。
なるべく抜かない治療
矯正はもちろん一般の歯科治療でも、丸子歯科では
「なるべく抜かない治療」
を目指しています。
そのためには、成長発育途中の段階で装置を使ってアゴの成長のサポートをしたり、アゴのずれを修正したりすることが有効です。
できれば、永久歯が生えてきて少しでも不安なことがあれば早めに相談に来ていただき、解決のお手伝いをしたいと思います。
ここまで述べてきたことを念頭に置いて、各年代で達成したい重点目標を想定しました。
10歳まで 虫歯ゼロ
10代 きれいな歯並び
20代 白く輝く美しい歯
30代 なるべく削らず守ろう自分の歯
40代 口からできるアンチエイジング
50代 歯周病から歯を守る
60代 歯の破折注意
70代 目指せ8020(八十歳で二十本の歯)
80代 何でも咬める食生活
90代 食事が楽しめる人生
100歳以上 自分の口で咬める喜び
この目標の中でも歯並びは、将来のお口の状態に多大な影響を及ぼします。
特に虫歯、歯周病から歯を守るには、きれいな歯並びが絶対に有利です。
それぞれの年代で目指している項目は違いますが、その年代ごとにきちんとクリアしていくことが、8020達成の近道であり、それによって百歳になっても現役で医者をされている日野原重明先生のように、健康で楽しい幸せな人生を送れると確信しています。