下の歯が上の歯より前に出ている受け口を歯科の用語で反対咬合と言います。
幼稚園、あるいは保育園、小学校の歯科検診などで指摘されたお子さんも多いことでしょう。
お子さんの咬み合わせが通常と反対と聞くと、心配になるのは当然です。
反対咬合は永久歯が生える時、自然に治ることがあります。
ただしかなり少数例です。
反対になっている下の前歯が5~6本。
逆の咬み合わせが深い、近親に反対咬合の人がいる…これらの場合、自然に治る可能性は極めて少ないと考えて良いでしょう。
幼児期からの反対咬合改善に、子供専用のマウスピース「ムーシールド」を使った治療法があります。
ムーシールドは、1983年に東京の矯正科医によって考案され、多くの臨床応用、学芸発表を経て、2005年に一般の歯科医院でも治療可能になりました。
乳歯の時期から受け口に使用できる装置として注目を集めています。
ムーシールドは直接、歯を移動させる装置ではありません
反対咬合の原因となる筋機能のアンバランスを修正する機能的顎矯正装置です。
口の周囲の筋肉や舌の位置のバランスを整え、調和を取り戻すことにより反対咬合を改善します。
対象年齢は5~8才くらいです。
メリット
- 夜寝ている時にムーシールドをはめているだけで反対咬合が改善される
- 通常の矯正治療に比べると期間が短くて済む
- ワイヤーを使った矯正治療をしないので痛みがない
デメリット
- お子様が矯正治療に協力できる状態でないと治療はすすめられない
- 反対咬合が改善しても成長期に再治療が必要になることがある
- 重度な反対咬合(骨格的な要素が強い場合)はムーシールドが適応にならないことがある
また、治療後は女子の場合15~16才頃まで、男子の場合は17~18才頃まで成長は続きますので、その頃まで定期検診を受け続けることが理想的です。