矯正Q&A
矯正Q&A
矯正について皆様の疑問や質問にお答えします!
ここをご覧になって解決しなかった疑問や質問は、ページ下の相談フォームより気軽にお問い合わせ下さい。
矯正を始める前の質問
咬んだ時下の前歯が全然見えないのですが、矯正で治りますか?>>
矯正中の質問
治療中に食べられないものや治療によってむし歯になる事はありませんか?>>
矯正の器具や装置が壊れたりとれてしまった時どうすればいいですか?>>
矯正をして自分で見た目が満足できたら途中でやめてもいいのですか?>>
取り外しのできる装置を子どもが嫌がって使えないことはありますか?>>
固定式の装置(ワイヤー)が入っている時に起こりやすいお口のトラブルはありますか?>>
矯正が終わった後の質問
矯正が終わった後で、数年後にもう一度矯正をしたい場合の費用はどうなりますか?>>
その他の矯正に関した質問
子供のかみ合わせや歯並びのために小さい頃から気をつけられる事はありますか?>>
歯を抜いて矯正した方が良いと言われました。
抜かないで矯正したらどうなりますか?>>
学校の部活等で吹奏楽をやりたいと思っているが矯正できますか?>>
矯正をしたいのですが、スポーツをしていると何か影響はありますか?>>
子どもが指しゃぶりをします。すぐやめないと矯正が必要になりますか?>>
マウスピース矯正
矯正の抜歯はなぜ多くが4番目の歯?
矯正治療では、顎のスペースが足りない場合抜歯をして歯を並べすき間を作ります。
では、抜歯する歯をどうやって決めているのでしょうか。
一般的に抜歯をするのは前から4番目の歯(犬歯の一番後ろで第一小臼歯)です。
その理由は、前歯と奥歯のほぼ中間にあり、ここにスペースを作ることで歯の移動量が少なくなります。
この場所のスペースは、前歯を実歯の方に移動させるのに、ちょうどいい位置にあたります。
また食べ物を咬み切る前歯や、すり潰す奥歯と違って小臼歯が物を食べるうえで、役割が多少は少ないという事も、4番目の歯を抜歯する理由のひとつです。
これらの理由から抜歯は4番目になることが多いです。
4番目以外の歯を抜く時
では4番目以外の歯を抜く時は、どんな時でしょうか?
- 状態の悪い歯がある場合・・・これは5番目の歯になりますが、5番目の歯が神経が 取ってあるか、大きなむし歯になっている場合は、5番目の歯を抜くことがあります。
- 下の前歯が一本飛び出している場合・・・飛び出している一本を抜いて、スペースを 閉じる治療法があります。この方法は4番目の歯を抜く方法よりも治療期間が短くなるメリットがあります。
しかし、下の前歯を一本抜くため、上下の真ん中が合いません。期間を優先されるか、見た目を優先させるかにより方法が異なります。 - 親知らずの抜歯・・・矯正治療で親知らずが邪魔になりそうな場合は、矯正前に親知らずを抜くことがあります。
親知らずがまっすぐに生えていない場合は口腔外科で抜いてきたていただく事が多いです。
どの歯を抜くかは、その方の歯並びの状態によって一人一人しっかり診察した上で決定します。
勿論、抜歯しない方法が可能であれば、なるべく抜かない方法を選択します。
ご相談の上、抜歯するしないなど、治療方法を決めていきますので、ご心配のことがありましたら、ご相談下さい。
歯並び・咬み合わせが悪いとは?
よく「歯並びが悪い」、「咬み合わせが悪い」と言いますが、具体的にどんな状態のことを言うのでしょうか。
これらは大きく分けて4つに分類されます。
1.でこぼこの歯並び
歯が一列の湾曲を描いて並んでいない状態のことを言います。主な原因として、顎が小さいために歯が並んで収まるスペースが不足することが挙げられます。歯のでこぼこをそのまま放っておくと、歯磨きがしにくく、むし歯や歯周病になる確率が高くなります。
2.出っ歯
上顎や上の歯が突出している状態です。出っ歯があると力を入れないと口を閉じることができません。口が乾きやすくなることで、虫歯や歯周病になりやすくなることがあります。
出っ歯の原因は、
- 上の前歯が出ている
- 下の前歯が後ろに傾いている
- 上顎が前に出ている
- 下顎が後ろに下がっている
です。
また、これらが複合している場合もあります。
3.受け口
下の歯が上の歯よりも前に出ている状態のことを言います。
下の前歯の2、3本だけが前に出ているものや、下の歯全体が前に出て上の歯が見えないものなど、その程度はさまざまです。
前歯でかみ切れない、発音が不明瞭になるなどの支障が出てきます。
受け口は、
- かむ時の癖などで起こる機能性のものや前歯の傾きに問題があるもの
- 下顎が上顎よりも大きい、骨のアンバランスによるもの
の2種類があります。
4.開咬(かいこう)
奥歯を咬み合わせて口を閉じても上下の歯にすき間ができてしまう状態のことを言います。
歯だけでなく唇も開いたままのこともあります。開咬があると、ものをかみ切れない、発音が不明瞭、口の中が乾いてむし歯や歯周病になりやすいことがあります。
開咬の多くは、「舌で前歯を押す」、「上下の歯の間に舌を入れてしまう」などの「舌の癖」が原因です。
この舌の癖が直らない限り、矯正しても元に戻ってしまいます。
舌の癖を直すには専用のトレーニングが必要です。
このトレーニングがきちんとできるかで、後戻りするかしないかがかなり変わってきます。
治療方針は、歯並びだけではなく、噛みあわせや年齢などによっても変わることがありますので、気になることがありましたら、お気軽にご相談ください。
固定式の装置(ワイヤー)が入っている時に起こりやすいお口のトラブルはありますか?
矯正中のトラブルの多くは歯磨き不足によるものか、口内炎になります。特に上の前歯の表面が白く初期ムシバになってしまうと装置を外した後にムラが目立ちます。
矯正で歯並びを綺麗にしてもムシバになってしまっては残念です。装置が入っている時は磨きにくく時間もかかりますが、綺麗な仕上がりになるように頑張って磨いて下さい。
トラブルはいくつかあります。よくあるものを挙げていきます。
1.歯ぐきが腫れる
装置と歯ぐきとの間の部分がどうしても磨き難い為、汚れが残ってしまいます。
汚れが長い間付着したままだと歯ぐきが赤く腫れて出血しやすくなります。
ひどくなると装置の上まで歯ぐきが膨れ上がることもあります。
2.ムシバになる
歯ぐきが腫れると同様に装置の周りには、汚れが残りやすい為、管理が十分でないとムシバになります。
ずっと磨けないままになると、歯の表面が白くなり歯がもろくなります。
これはムシバの初期状態です。一度白くなってしまうと元には戻りづらくフッ素で歯の質を強化することは出来ますが、色は若干白く残ります。
装置を外した時に白くなってしまった部分が目に付くこともあります。更に進行すると、穴が空いてしまいます。
3.口内炎が出来やすくなる
どうしても装置の分だけ、出っぱるので唇の裏や頬の粘膜や舌に擦れます。
普段から口内炎の出来やすい方は、ちょっとした刺激や傷からすぐに口内炎になってしまいます。
装置に保護するものを付けたり、口の中を清潔にするためにうがい薬を使用して口内炎の薬で様子を見てもらいます。
半永久的に歯並びは変わらない?
ワイヤーなどで歯を動かす治療が終了して、矯正装置が外れると次は保定装置と呼ばれるものを付けます。
保定装置とは、歯を動かす治療と同じくらい大切な治療です。矯正治療によって綺麗に並んだ歯も、矯正装置を外すと元の位置に戻ろうとする力が働き、ズレてきてしまいます。
これを防ぐために、歯が安定するまで歯をとめておく装置が保定装置です。
● リテーナー(取り外し式装置)…主に上の歯に使用
<装着後6ヶ月間…常につける>
歯が元の位置に戻ろうとする力が強いため、食事中と歯磨き時、プールや歯をくいしばるスポーツをする時以外は常につけるようにしてください。
<6ヶ月後~2年間…就寝時のみつける>
外したままの期間が長いと(1週間程度)歯が動いてしまって、装置が入らなくなるので、忘れずに入れてください。
半年以上経つと、すり減ったり、穴が開くことがあります。状態により再製作します。
※2年間入れていても、装置を長時間外すと歯が動くことがあるため、1週間に1回程度就寝時に装着することをおすすめします。
● 保定ワイヤー(取り外し不可の装置)…主に下の歯に使用
※ 18才までは、つけたままになります。
<2~3年間…つけたまま>
<3年後~…>
下の親知らずがある場合
・親知らずを抜いて
1.18才頃装置を外す
2.装置を外さない(16才以降)
・親知らずを抜かないで
1.前歯の位置が動く可能性があるが、装置を外す
2.当分の間、装置を外さない
下の親知らずが元々ない場合
1.装置を外す
2.装置を外さない
※ ただし、親知らずを抜いても個人差はありますが、装置を外すと歯が動くことがあります。
歯は生きている限り、動きつづけます。矯正治療が終了しても、正しいケアを忘れず、3~4ヶ月ごとの検診での通院をおすすめします!
取り外しのできる装置を子どもが嫌がって使えないことはありますか?
取り外しが可能なので、子どもが自分で取り外すことができます。
その為いろいろな理由をつけて嫌がる子はいます。
ただし、取り外し式の装置には2タイプありますので、装置によって対策を立てていきます。
・歯にカチッと固定されるタイプ
このタイプの装置は装着時から1~2週間は取り外しができないようにきつく固定します。
かなり話しにくい、食べにくいといった違和感の大きい装置になりますので、外せないようにしてその期間に慣れてもらう為です。
実際に子どもは適応が早いので、1~2週間後には
「もう慣れた、ご飯も普通に食べられる」
と言ってくれる子が多いです。
しかし、中にはどうしても嫌で泣けてしまうこともあります。その時には、保護者の方と相談してさらに慣れる為の外せない期間を延長します。
そうすることで、9割以上の子は使えるようになっています。
・歯には固定せず口の中に入れて唇を閉じてもらうタイプ
このタイプは主に日中は30分~1時間くらいと、夜の寝ている時間につけてもらう装置になります。
口の中に入れるには少し大きめの装置になりますので、慣れるまでには時間がかかります。
粘膜に擦れて痛いところがあれば削って調整します。
口の中に入っている時間が長く、さらに唇が閉じた状態の方が効果が出やすいので、口にテープを貼ってもらう練習もします。
この装置も調整することでかなり使えるようになります。
どのタイプの装置も違和感、異物感はあります。
子ども本人のやる気と頑張り、保護者の方の励ましと協力が必要になりますので、本人が矯正を強く希望されない時には、スタートのタイミングを考える必要があります。
お口の中にひっかけるゴム?
矯正治療中、ブラケット+ワイヤーでは、ガタつきを治すことは出来ますが顎の位置までを変えることは難しいです。
そこで、顎の位置の修正に用いられるのが、小さなゴム輪です。ゴムの引っ張る力で歯を動かします。直径4~10㎜までの様々なサイズを歯に合わせて使用します。
使う時
歯みがきの時以外は、常に使って下さい。
食事中や寝る時も含めて忘れずに使うことが重要です。
特に食事中は顎を動かすので、この時に使用しないと、なかなか効果が出ません。
食事中にたびたび外れるようでしたら、装置の調整をしますので予約日より早めに来院して下さい。
交換のタイミング
切れたら、すぐに新しいゴム輪に取り換えて下さい。
切れない時でも、3日経ったら新しいゴム輪に取り換えて下さい。
使用期間
一般的に3~6ヶ月ということが多いですが、歯の状態・使用状況によって個人差はあり、1年以上継続してもらう場合もあります。
ゴムのかけ方
下顎の前歯を後ろに動かす
上顎の前歯を後ろへ動かす
前歯のかみ合わせをよくする
注意事項
ゴムをかける位置を間違えないようにして下さい。毎日の食事中も含め、しっかり使わないと効果がありません。よく使った後でも、長い間外しておくと、歯が元に戻ってしまいます。
使ったり、使わなかったりすると、逆に顎にもよくありませんので忘れずに使って下さい。
う蝕活動性試験
このテストは、あなたの口の中の虫歯が作り出す酸がどれくらい強いか調べるテストです。
口の中と同じ状態を試験管の中で再現し試験液の色の変化によりむし歯のなりやすさを判定します。
アタックパワーを弱くするために(虫歯菌が虫歯を作ろうとする力)お口の中を虫歯菌の居心地が悪い環境にする。
おやつの取り方に気を付ける。
・おやつは時間を決めてダラダラ食べはさける。
・ジュースはなるべくお茶に、ガム、あめなどはキシリトール入りのシュガーレスにしてみましょう。
歯磨き、うがいで甘い物を洗い流す。
・おやつやジュースを飲んだ後のお口の中には虫歯菌のエサとなる糖分がたっぷりです。すぐに歯磨きをていねいに、無理ならうがいでお口の中の甘い物を洗い流しましょう。
フッ素で歯を守る力をUPさせる。
・フッ素入り歯磨剤、家庭用フッ素でディフェンスパワー(歯を守る力)を強くしましょう。
歯科医院での定期健診。
・定期的に歯科医院でしっかりクリーニングを行い、歯ブラシなどで、ご自身では除去できない虫歯菌を徹底的に退治しましょう。
希望される方には当院で、そのお手伝いをさせていただきます。
唾液リスクテスト、う蝕活動性試験の結果をもとにディフェンスパワー(歯を守ろうとする力)を強く、アタックパワー(虫歯菌が虫歯を作ろうとする力)を弱くするために自分のできることから努力をして、虫歯のできにくい口の中の環境を目指しましょう。
歯を抜いて矯正した方が良いと言われました。抜かないで矯正したらどうなりますか?
矯正で歯を抜く場合と、歯を抜かずにできる場合があります。
丸子歯科の基本方針は…
「できるだけ抜歯はしない(約80%)
無理な場合は残念ながら抜くこともあります(約20%)」
残念ながら抜歯が必要な判断基準にあてはまる時には抜歯をおすすめします。
判断基準とする項目には、次のような事があります。
1、治療開始年齢
2、顎と歯のサイズのバランス
3、遺伝的骨格状態
4、歯の周囲の筋肉の状態
5、歯並びへの希望
以上の項目を参考に、相談の上、抜かなくても可能かどうか診断します。
例として、顎のサイズに対して歯のサイズが大きい場合、6才臼歯より前方10本分の歯に対して、どれ位サイズ不足があるかを考えます。
抜歯が必要な理由は、主に成長期を過ぎた年齢に達し、スペース不足により歯が重なっていたり、出っ歯になっている場合に、足りないスペースをつくるためです。
抜歯の対象となる歯は歯並びによりますので診査した後の相談になります。
抜歯をおすすめするケースで抜歯を希望しない場合には、スペースをつくるために歯並びを横や前に広げるため歯が前に出たり口元が出た感じになることがあります。
ただし、広げるにも限界はあるのでキレイに並びきらない場合もあります。
矯正は基本的に、年齢や歯並びの状態によって大きく治療内容が変わりますので、歯並びが気になる場合にはできれば乳歯が残っている段階で(小学校低学年)、早めの相談をおすすめします。
必要な場合には歯の型をとってしっかりと相談させていただきます。
矯正前の検査~唾液リスクテスト~
矯正をする前に必要な検査はいくつかあります!
現在の歯並び、顎の状態を把握するための検査
・歯の型をとり、模型を作る
・レントゲン写真を撮る(正面、横向き)
・口の中の写真を撮る
虫歯予防のための検査
・虫歯菌の顕微鏡による検査
・カリエス(虫歯)リスクテスト
(唾液リスクテスト)
(う蝕活動性試験<虫歯菌の強さ>)
・染め出しによる磨き残しチェック
など様々な検査を行っています。
なぜ、カリエスリスクテストを行うのでしょう?
矯正を始めると必ず何らかの装置が口の中に入ります。
そうすると、虫歯になるリスクがあがってしまいます。
それを予防するために、矯正をスタートする前に唾液や虫歯菌の性質を知り、対策を行うために検査をします。
唾液リスクテスト
食物を食べた時口の中の酸が急激に増加します。
このテストは口の中が元の状態に戻る早さ(唾液緩衝能)を調べます。
口の中に酸が永くとどまると虫歯になる危険性が強くなります。
また、唾液の分泌量も測定します。唾液の分泌量が多いほど酸を洗い流しやすくなります。
ディフェンスパワーを強くするために(歯を守ろうとする力)
①硬い物をよく噛んで唾液をたくさん出す
・水分の少ない物(フランスパン・丸干しイワシなど)は
唾液分泌を促進します。
また、食事中はお茶や水を飲まず、食後に飲むようにしましょう。
・食物の形が大きいものは、前歯で噛み切らなければいけないので、咀しゃく回数が自然に増加します。
・歯ごたえのある硬い物を食べましょう。
食材の加熱時間を短くするなどの工夫も必要です。
・キシリトールガムなどを噛むのもいいでしょう。
②フッ素入りの歯磨き剤を使用する、フッ素を塗る
・歯科医院で定期的にフッ素を塗りましょう。また、家庭で使うフッ素を併用すると、より効果的です。
③シーラントで歯の溝をうめる
・特に6才臼歯の溝は深く、汚れが落としにくいので、予防をして虫歯を防ぎましょう。
あいうべ体操
歯並びは、舌の位置や動き、口の周りの筋肉の強さにも大きく影響を受けています。
舌の正しい位置を覚えて習慣にして、口の周りの筋肉を鍛えることで改善される歯並びもあります。
当院では特に矯正を始めて、歯並びに影響を与えるような舌の動きをしている方にあいうべ体操をおすすめしています。
※舌の正しい位置は、上顎の少し凹凸と波うっている所に常に舌の先がついています。
舌の先が、下前歯の裏側についていたりすると、歯並びに影響を与える可能性があります。
あいうべ体操(舌へきの改善)
<あいうべ体操の基本的なやり方>
<目的>
口を閉じたときに、舌が上あごにぺったりと付くようにする。
舌の筋肉を強化して正しいポジションに導くことが目的。
口の周りの筋肉、舌を鍛えるトレーニングです。
<あいうべ体操のポイント>
・1日30回が目安です。3回にわけて行う方法もあります。
声を出す必要はありません。テレビを見ながら、ゲームをしながらなど…
入浴時に行うのも最適です。(鏡を見ながら・人目を気にせず・乾燥しない)
・野外での歩きながらはNGです。口の中が乾燥してしまうからです。
・1回を5秒位のスピードで行ってください。
・習慣にするためにハミガキカレンダーを使い、行ったらシールを貼りましょう。
または、「あいうべカード」を使い思い出したらやってみる方法もあります。
出典 免疫を高めて病気を治す 口の体操「あいうべ」 今井一彰著
子どもが指しゃぶりをします。すぐやめないと矯正が必要になりますか?
必ずしもすぐやめないと歯並びに影響がでるわけではありません。
指しゃぶりといっても、単に口の中に指をいれてなめたり、しゃぶったりするだけの場合や、指や爪を咬んだり、音がするほど強く吸うなどいろいろなしゃぶり方が見られます。
乳児期(0~3才)の指しゃぶりはおよそ70~90%とかなり高く、ほとんどの乳児に多く見られ、幼児期(3才6ケ月頃~5才)になるとおよそ20%~45%と半分程に減少してきます。
指しゃぶりをしているお子さんの中でも、6才になると80%の子供が指しゃぶりをやめると言われていますが、それに反して爪咬みや舌で前歯を押す、上下の前歯のすき間に舌を入れるなどの舌癖が増加してくる事もあります。
また指しゃぶりの影響として咬み合わせや歯並びが悪くなる事があるので、永久歯が出はじめる5才位から、下の表の内容を目安に必要があれば指導をしていきます。
経過観察で良い症例
|
指導を必要とする症例
|
|
年 齢
|
4歳まで 3,4歳になると そろそろ自然にやめる 可能性がある
|
5歳以上 自然にやめる可能性は 少ない
|
しゃぶる頻度
|
・年齢があがるにつれ減って きている ・寝入りばな、就寝中、 退屈な時ぐらいで、次第に 頻度が減ってきている
|
・減ってきている様子が 見られない ・昼間もよくしゃぶる
|
指 だ こ
|
ない、あっても軽度
|
ないこともあるが、はっ きりわかることが多い
|
歯科的影響 |
歯並びに影響なし あっても部分的で 軽度な物
|
歯並びや咬み合わせ・ 発音・舌癖・口元などに 影響がでている
|
5~6才をすぎても、かなり強く指しゃぶりが残っている場合は、下の写真のような悪影響が出る場合がありますので、5~6才でまだ続いているようなら再度ご確認下さい。
左:(前歯がかみ合わない) 右:(舌を咬むくせ)
歯並びや咬み合わせに影響が出てしまったら、まず指しゃぶりをやめる指導をし、それから矯正のご相談をさせていただきます。
咬んだ時に下の前歯が全然見えないのですが、矯正で治りますか?
顎が成長すると、ガタついた歯並びは自然に治ることもありますが、咬み合わせが深い歯並びは矯正治療でないと治りません。
通常より歯の噛み合せが極端に深い状態を「過蓋咬合(かがいこうごう)」といいます。咬み合わせた時に下の前歯が、上の前歯に隠れてしまい、ほとんど見えない状態です。
過蓋咬合の人は、奥歯に比べ前歯が強く当たります。そのため、以下の症状が出ることがあります。
1)前歯の裏の歯茎を傷つけてしまう
2)40~50歳くらいになると、通常の咬み合わせの方に比べ歯周病が進行しやすい
3)上の前歯が開き、隙間ができる
4)食べ物が噛み切りにくい
5)顎関節症になることがある
基本的に取り外し式の装置を入れて咬み合わせを浅くします。
平均的に1~2年は、この装置を使用します。
細かい部分の修正など必要があれば、固定式の装置へ移行する場合もあります。
咬み合わせが深かった方の矯正治療前後の写真です。
深い咬み合わせは矯正治療で治すことができます。
気になる方は一度ご相談ください。
矯正をしたいのですが、スポーツをしていると何か影響はありますか?
矯正の装置の種類やスポーツの種類によっては影響のあるものもあります。
具体的には以下のようなものがあげられます。
取り外しの装置(プレート)からスタートする場合
取り外しの装置(プレート)は、装着してから1週間は、ずっとはめた状態になります。
なくすおそれや、痛みが出やすいため、以下のスポーツはその間(最初の1週間だけ)やめておいて下さい。
・水泳・空手・少林寺拳法
・柔道・ラグビー
プレートを装着して1週間過ぎたら、プレートをはずす練習をします。
以下のスポーツを行う時ははずしてケースに入れておいて下さい。
◎ 必ず装置をはずすスポーツ
・水泳 ・空手 ・少林寺拳法
・柔道 ・ラグビー
○ 場合によっては、はずした方がいいスポーツ
(やっていて、痛みが強いようならはずして下さい)
・ドッジボール
はずさなくてもいいスポーツ
・野球 ・サッカー ・バスケットボール ・バレーボール
・ハンドボール ・陸上 ・体操 ・ダンス ・卓球
・スキー ・スケート ・剣道 など
固定式装置(ワイヤー)からスタートする場合
スポーツによっては、装置が当たり痛いことがあります。
以下のスポーツは接触したり、手などが装置に当たり、痛い場合が多いです。
・空手・ラグビー
・柔道・少林寺拳法
上記以外のスポーツは、ほぼ支障はないでしょう。
※ご心配や不安のある方はご相談下さい
矯正をして自分で見た目が満足できたら途中でやめてもいいのですか?
御自身がどこまで改善したいかを相談の上、決めています。
矯正治療をどこで終わりにするのかは、歯科医側がすすめるゴールを100点とすると、治療の途中で患者さんが今の歯並びに満足されている場合、60点の状態でもそこで治療を終了にすることもできます。
具体的に言うと、前歯の歯並びは綺麗に並んでいても、奥歯のかみ合わせがズレていることがあります。
このようなケースでは、奥歯のかみ合わせも治して、100点を目指して治療していくことをおすすめしますが、前歯の歯並びが良くなったことで患者さんが満足していれば、60点の状態でもそこで治療を終了することもあります。
丸子歯科の費用設定は、トータルで一括の方式ではなく、必要な装置別に支払いをする料金設定になっています。
ですから、60点の状態で治療を終了にすると、当初の予定よりも費用を抑えることができる場合があります。
また、治療期間も短くなるかもしれません。
100点を目指す治療の場合、見えない位置のかみ合わせが良くなって食事がしやすくなったり、歯全体が綺麗に並ぶことにより、歯ブラシがしやすくなり、虫歯や歯周病のリスクが減って、結果歯が長持ちすることがメリットです。
丸子歯科では、それぞれのメリット、デメリットをしっかりと説明し、治療の途中でも方針を相談しながら、治療を進めていきます。
歯科医師が考える理想的な歯並びになるまで治療をやめられないということはありません。
ただし、100点で治療を終了しても、60点で治療を終了しても、治療終了後に保定装置という後戻りを防止する装置を2~3年は使ってもらう必要があります。
学校の文化祭で吹奏楽をやりたいと思っているが矯正できますか?
矯正にも歯並びの状態によって方法が様々です。そのため一概には言えませんが、楽器によっては矯正治療が難しい場合があります。以下を参考にして、矯正をするのかどうかよくご検討下さい。
問題ない楽器
・コントラバス、ピアノ、ドラム、アコーディオン
・打楽器(シンバル、ティンパニ、スネアドラム、バスドラム、トライアングル、シロフォン、ヴィブラフォンなど)
↑ 口を使わないため。
多少影響のある楽器
・フルート、ピッコロ
↑ 歌口部分をくわえない楽器であるため。
・チューバ
↑ マウスピース(口と楽器の接触部分)が大きいため。
※どちらの楽器も本格的にやる人には勧められません。
<影響があり、演奏が難しい楽器>
・木管楽器(クラリネット、サックス、オーボエ、ファゴット)
↑ 上唇と下唇を巻き込んでリード(口と楽器の接触部分)をくわえるため。
・金管楽器(トランペット、トロンボーン、ホルン、ユーフォニアム)
↑ マウスピースが小さいため、矯正器具にあたってしまいます。
※注意事項※
- 全ての楽器(問題のない楽器以外)において、歯が動くスピードが遅くなったり、期間が長くなることがあります。また矯正後も楽器を続けていると、後戻りする場合があります。
- 矯正器具を裏側につけた場合でも、タンギング(舌を使って音を明確に出す方法)など普通の人と同じように出来ない場合があります。
- 音は出せても、長時間演奏すると口が痛くなる場合があります。
- 初めて楽器を吹く時から矯正器具をつけている人と、途中から矯正器具をつける人とでも差があります。
- 矯正器具をつけながら楽器をやっている場合、矯正が終わった後はまた口の形を作り直さなければなりません。
もっと具体的に知りたい方はお気軽にご相談下さい。
歯を抜いて矯正をすすめられたけど、抜いても大丈夫ですか?
矯正の治療のために、永久歯の抜歯が必要な場合があります。
抜いても大丈夫ですか?
初めて聞かれた方は、歯並びを治すのに「なぜ歯を抜くの?」などと疑問をお持ちになる方もたくさんおられると思います。
もちろん、すべてのケースで抜歯が必要な訳ではありません。歯を並べるスペースが無い場合、歯を抜いて並べる場所を作ることが必要になってきます。
しかし、誰もが健康な歯を抜くのは嫌なもので出来たら抜きたくない人がほとんどでしょう。
治療計画を綿密に
そこで丸子歯科では、しっかりと事前に診断を行い、治療計画を綿密に立て、特に成長発育期の小児の場合は顎を広げることにより、抜歯をできるだけしなくて済むように努めています。
一般的に抜歯が必要になる割合は大学病院の矯正科では7~8割くらいと言われております。
丸子歯科では小児期より矯正治療を開始した場合、抜歯に至るケースを約2割くらいに減らすことに成功しております。
しかし、矯正治療の目的は多くの患者さんにとっては正しい咬み合わせとなり、バランスのとれた顔つきになることです。
無理に非抜歯で治療を行うと口元が突き出てしまい見た目に不利が生じたり、お口が閉じにくくなったりする場合があります。
もし、矯正治療の目的が「歯並びをきれいにする」ことだけならば、非抜歯治療ができるケースはずっと多くなるでしょう。
しかし、
「咬み合せを良くする」 「お口の閉じにくさを取り除く」
などの健康面での配慮や調和のとれた口元といった外見上の問題までトータルに考えた場合には、抜歯が避けて通れないケースがあることも確かです。
一見よく似た歯並びでも、その開始時期によって治療方針が変わってきます。
また求める治療結果によって、抜歯か非抜歯が決まることがあります。
ただ、お子さんの矯正治療の場合、適切な時期にご相談いただくことにより、非抜歯で矯正治療を受けていただける可能性が非常に高くなります。
そのためにも、小学校半ばまでに一度矯正歯科の受診をおすすめします。
丸子歯科では、抜歯の場合・非抜歯の場合それぞれのメリット・デメリットをきちんと患者さんにお伝えし、よく話合ったうえで治療方針を決めるようにしています。
抜歯・非抜歯だけを取り出すのではなく、治療の効果全体をトータルにとらえ、患者さんのご要望も十分にお伺いしたうえで、最善の治療とは何かを患者さんと一緒に考えていけたらと思っています。
歯がどうして動くの?グラグラにならないの?
かたい物でも噛み砕くことのできる頑丈な歯が、矯正治療でどうして動くの?と思われる方も多いのではないでしょうか。
また、矯正で歯を動かすと、グラグラになってしまうのでは?
と、ご心配な方も見えるかもしれません。
歯が動く仕組みについて
まずは、歯が動く仕組みについてお話します。
かたい物を噛み砕くことのできる頑丈な歯が、どうして矯正治療によってくのでしょうか?
それは、矯正治療によって身体が元々持っている「骨の代謝機能」を利用して動かすからです。
歯は歯根膜という繊維と顎の骨で支えられています
矯正治療によって歯に力を加えると歯根膜が伸縮します。歯根膜はある一定の幅を保とうとする性質があります。
ただし、このままでは伸縮したままで動くことができません。そこで登場するのが、骨を溶かす細胞と骨を造る細胞です。
歯根膜が縮んだ部分では、歯を溶かす細胞が、歯の周囲の骨を溶かしていきます。反対に歯根膜が伸びた部分では、歯を造る細胞が、骨を造っていきます。そうすることで歯根膜の幅を一定に保てます。
これにより、矯正治療で歯を動かすことが出来ます。
歯が動いている証拠
矯正治療中、ワイヤーを外すと歯がグラつく!なんていうことがよくありますが、それは、上記の理由で歯が動いている証拠です。
このグラつきは、一時的なものなのでご心配はいりません。
歯の位置が固定されると自然と落ち着いてくるので、あまり神経質になりすぎず様子をみて下さい。
また、矯正後に装置を全て外しても、グラつきが残る場合がありますが、時間と共に落ち着くことが多いので、様子をみていきます。
3~4ヶ月ごとの検診で確認させていただけますので、気になることがございましたらお伝え下さい。
矯正で歯を削ることはある?
矯正治療後、特に歯を並べるスペースが足りない場合、歯を削ることがあります。
「虫歯でもないのに歯を削って、大丈夫なの?」
と思われる方も多いと思いますが、スペースを得るために必要な治療の一つです。
主に、マウスピース矯正で歯を動かすスペースがない場合や、ワイヤー矯正での仕上げの微調整の場合に行います。
この場合、削る量は、虫歯の治療とは違い、大きく削るわけではありません。
歯と歯の間に約0.5mm以下のすき間をつくる程度です。
歯の表面は厚さ約1mmのエナメル質という、かたい組織で覆われています。削るのは、この半分の量の0.5mm。歯を削ったことで歯自体が弱くなることはありません。
それどころか、再石灰化に対して、反応が高いエナメル質が表面に露出します。
再石灰化とは
再石灰化とは、主に飲食によって表面が溶けたエナメル質を、溶ける前のエナメル質よりも硬くて虫歯に強いエナメル質に変化させることを言います。つまり歯を削る前よりも、削ったことで歯の表面が虫歯に強くなるということです。
また、フッ素の取り込みも削る前より良くなるという研究結果もあります。ただし、歯磨きをきちんとできず、歯の間に汚れがたまったままになると虫歯になりやすくなるため注意が必要です。
丸子歯科では、歯のすき間をあける治療を行った日には必ずフッ素を塗る対応をしています。
その他にもご心配なことがありましたら、ご相談下さい。
子供のかみ合わせや歯並びのために小さい頃から気をつけられる事はありますか?
気をつけられる事はあります。
ただし骨格的な要因(顎のサイズが小さい・歯のサイズが大きい)などは遺伝的な要因が大きいので気をつけてもどうにもならない事もあります。
よく噛むことが大切
まずは小さい頃からよくかむ習慣をつけてあげることです。
よくかむことで顎や口の周りの筋肉が発達します。歯並びは歯の周りの筋肉の力のバランスが大きく関係しています。
主に歯並びに関係している『力』には舌の力(舌圧)、頬の力(頬圧)、唇の力(口唇圧)があります。
これらの力のアンバランスがどのように歯並びに影響するか例を挙げてみます。
舌の力が強く常に歯の裏側を無意識に押している場合には歯が前に出たり、歯と歯の間にすき間ができてすきっ歯になったり、上下の前歯が噛み合わず隙間があいてしまったりします。(開咬)
このように舌の力が強く、無意識の癖がある時には時期を見て必要な舌のトレーニングを行います。
舌の正しい位置
舌の正しい位置は上あごのデコボコした部分に舌の先がくっついている状態です。歯には触れていません。頬の力が強く常に頬粘膜の圧力が歯にかかっていると歯が内側が倒れてきます。
唇の力が弱い場合にも出っ歯(上顎前突)になることがあります。
常に口があいている人は要注意
力のアンバランス以外の歯並びへの影響が考えられるものとしては、指しゃぶり、爪噛み、唇を咬む、舌を上下の前歯の間に入れるなど無意識にしてしまう癖があります。
これらの癖は自然になくなる事もありますが永久歯が映える頃まで続いている場合にはやめられるように歯科でのアプローチが必要になることもあります。
子供の咬み合わせや歯並びでご心配なことがありましたら、ぜひご相談下さい。その子の時期にあったアドバイスができると思います。
歯並びは遺伝するのか?
普通親子というのは顔形が似ていますが、あれは親子の場合骨格や目鼻の位置などの遺伝子情報を親からもらっているからです。
歯並びは遺伝するのか?
口の中についても同じで歯の大きさや形、顎の形などは親から遺伝子情報を受け継いでいます。
したがって、基本的に歯並びは遺伝しやすいと考えられています。
例えば、家系に下顎が長くて受け口になっている人が多いと、子供が受け口になる確率は高いと言えます。
また、歯や顎の大きさも遺伝するので、歯が大きかったり、顎が小さかったりしてなる乱杭歯(らんぐいば)や八重歯(やえば)も似てきます。
しかし、父親も母親も歯並びがきれいだからと言って安心はできません。
歯は大きいが顎も大きいので問題ない父親の大きな歯と、顎は小さいが歯も小さいので問題ない母親の小さな顎が遺伝した子供は、八重歯になってしまうこともあります。
遺伝性があることは否定できません
歯並びの悪いいわゆる不正咬合は遺伝性があることは否定できませんが、必ずしも遺伝ばかりとは限らず後天的な原因も大いに影響しています。
たとえば、虫歯などで乳歯が早く抜けてしまって永久歯の出る場所が不足したり、指しゃぶりや舌の悪い癖などで歯並びが悪くなることがあります。
舌の悪い癖というのは、何もしてない時に舌が上下の歯の間に挟まった状態になっていたり、唾や物を飲み込む時に歯と歯の間に舌を強く押し出すような癖のことを言います。
出っ歯や開口(奥歯で咬んでも前歯が噛み合わない不正咬合)の原因になります。
この様に不正咬合は遺伝だけが要因ではなく、後天的な要因も大きく影響をしているのですが、ただ遺伝的な要素もかなり高いということですから、これは見方を変えれば子供が生まれた時から将来の歯並びが予測できるということになるかもしれません。
また、乳歯のうちから歯医者に通って親も本人も気づいていない悪習癖をチェックすることにより、将来不正咬合にならないように予防ができる場合があります。
親知らずがあっても矯正できますか?
親知らずは「抜かないといけないもの」という認識が一般的のように思われます。
しかし、矯正治療においては、一概に抜かなければいけないものではありません。
【親知らずを抜かない場合】
1.歯の本数が本来の本数よりも少ない場合…親知らずを奥歯としてあえて利用することがあります。
2.歯を抜いて矯正した場合…顎の大きさに余裕がある場合は親知らずが生える事で噛み合わせのバランスがとれることがあります。
その場合も親知らずは基本的に抜きません。
ただし、歯茎が腫れてしまったり痛みが頻繁にでるようなことがあれば抜くこともあります。
主に20~30歳で抜歯になることが多いです。
【親知らずを抜く場合】
1.矯正治療前に抜く場合…明らかに矯正治療の妨げとなる時、主に成人の方で歯を動かす妨げとなって、治療に支障が出る場合は、治療前に抜くことがあります。
2.矯正治療中に抜く場合…主に奥歯を動かす際の妨げとなる時に抜く場合があります。
お子さんの矯正治療において、スタート時には親知らずは生えていないことがほとんどです。
しかし年齢を重ねていくと親知らずができてきて、奥歯を動かしたい時に妨げとなることがあります。その場合は矯正途中であっても抜くことがあります。
3.矯正治療後に抜く場合…親知らずが斜めや横向きに埋まっていて、前方の歯を動かす力が生じ、歯並びががたつく恐れがあります。
せっかく綺麗にならんだ歯並びが親知らずの影響で再びズレてしまう事を防ぐために親知らずを抜歯します。
主に16~20歳で抜歯になることが多いです。
ただしいずれの場合にも、親知らずがあるから抜くわけではなく、状態によって変わりますので必要な時にご相談させていただきます。
矯正をした後ホワイトニングはできますか?
矯正をした後にホワイトニングはできます
しかし、矯正とホワイトニングを同時にすることは基本的には出来ません。
矯正は歯並びやご本人の希望によって装置や方法も違います。
矯正は主に
・個々の歯にブラケットという装置をつけてワイヤーを使って歯を動かす方法
・取り外し式の装置で顎を広げていく方法
・マウスピース型の装置で歯を動かす方法
などがあります。
後戻りを防止するための装置
どの方法にしても歯並びが改善された時点で、後戻りを防止するための装置がほとんどの場合入ります。
後戻り防止装置は上あごのみ取り外し式になります。(リテーナー)
リテーナーは基本的に矯正直後は非常に後戻りしやすいため、6ヶ月間は食事と歯磨き時以外はずっと使っていただきます。
その後、夜のみの使用になります。
ホワイトニングする時にはホワイトニング用のトレーを作ります。
ホワイトニング用のトレーはリテーナーより軟らかい材質になり、後戻りしやすくなってしまうため、矯正後すぐのホワイトニングはあまりオススメはできません。
ただし、お急ぎホワイトニングを希望する場合にはご相談下さい。
リテーナーとホワイトニングトレーの使い分けや手順などご説明します。
費用について
費用は装置代として、上下別料金になりますので、上のみで10000円(税別)、下のみで10000円(税別)、上下希望される方は20000円(税別)になります。
ホワイトニングは薬剤を使って歯を白くしていきますので、そのための薬剤は別途必要で1本1000円(税別)になります。
必要な薬剤は個人差はありますが、平均すると3~5本が目安になります。
ご自身がどの程度まで白くしたいかによって本数も違ってきます。
※矯正をしていない方がホワイトニングのみを希望される場合には1装置(上のみまたは下のみ)28000円(税別)となります。
矯正の器具や装置が壊れた時、どう対応すればいいですか?
矯正装置の種類や目的によっても外れた時の対応が異なります。
いくつかの装置を挙げて説明します。
取り外し式の装置(プレート)
毎日取り外しをしますのでワイヤーの部分が外れたり折れたりすることがあります。壊れた部分が粘膜にあたって痛くて使えない時はすぐに来てください。痛みがなく使える場合はそこまで慌てて来院されなくて大丈夫です。
そのままお使い下さい。
歯と歯のすき間をあける器具(スプリング)
この装置は歯と歯のすき間をあけるための小さな器具なのですき間が広がってくると外れることはよくあります。
その場合はなるべくその日のうちに来て下さい。
器具が外れてから日にちが経つとまたすき間がなくなってきてしまい、次の装置に進めなくなります。
奥歯につけるリング状の器具(バンド)
この器具が壊れたり外れてしまうことはまれですが、ゆるんできたり頬の内側や奥歯の裏側についている金属の突起物が外れたりすることがあります。
粘膜や舌に当たったりして痛みがある場合には早めに来て下さい。
痛みや支障がない場合には急がなくても大丈夫です。
歯の内側に固定されているワイヤー(3DLなど)
歯の内側に固定されていますが、中にはワイヤーの形が複雑になっているものもありますのでワイヤーが折れたり曲がってしまうことがあります。
その時痛みがある場合はすぐに来ていただき、痛みのない場合には急ぐ必要はありません。
基本的に、装置や器具がとれてしまったり壊れてしまった場合でも痛みがなければ急がなくても大丈夫ですが次回の予約日までの間が長い場合には、その間矯正治療が進まないこともありますので一度ご連絡下さい。
ただし上記にも述べましたが、歯と歯の間をあけるためのスプリングという器具がとれてしまった時はすぐにお電話下さい。
前歯の永久歯が斜めに生えてきたが大丈夫でしょうか?
状態によりそのまま何もしなくてもいい場合と、経過観察後に矯正が必要になる場合があります。
前歯が永久歯に生え変わる時、色々と心配なことがあると思います。
乳歯が抜ける前に永久歯が生えてきた
たとえば乳歯が抜ける前に永久歯が生えてきたという場合。
特に下の前歯が生え変わる時に多いのですが、乳歯の後ろから永久歯が生えてくるというのはよくあることです。
大きく位置がずれているとか、お子さん自身が気になって食事ができないなどの場合を除き、ほとんどは自然と抜けるのを待っても大丈夫な場合が多いです。
また出てきた永久歯が斜めに生えてきた、隣の歯と少し重なっているという場合があります。
「矯正が必要なのかしら…」と心配される親御さんもいらっしゃると思います。
早めの矯正が必要な場合は…
1.歯のねじれの角度が60度以上ある
2.上下の永久歯がぶつかり合ってロックしている
3.すごく位置がずれて(5mm以上)萌出した
4.受け口がはっきりしている
このような時は早めに相談をされた方がいいでしょう。
それ以外の時、例えば…
1.前歯の永久歯の位置が少しずれている
2.前歯が少し重なってデコボコしている
経過観察だけで改善しました。
3.前歯の歯と歯の間がすいている
経過観察だけで改善しました。
などの場合は、すぐに矯正を開始しなくても、上下の前歯が4本ずつ永久歯に生え変わるまで経過観察をします。
矯正は治療が終わるまでに何年もかかります。
もちろん早く始めることも可能ですが、当院ではなるべく矯正治療の期間を短くし、ご本人や親御さんの負担を少なくすることを考慮し、矯正をスタートする時期を決めています。
前歯が上下4本生えそろってからでも、前記の場合を除き、充分矯正は間に合います。
目安は小学校3~4年ですが、歯が生え変わるには個人差がありますので、ご心配な方は早めにご相談下さい。
出っ歯は治りますか?
上の前歯が出っ歯(上顎前突)の場合は、程度が軽度から重度まで様々です。
習癖により前突に
小学校低学年までのお子さんでは、習癖により前突になってしまうことがあります。
具体的には、指しゃぶり、舌の突出癖(舌で歯を押す癖)、何かを前歯で咬む癖などが長期に続くと、その影響で、前歯が突出してしまいます。
そのような癖がないか、まずは親御さんがチェックしてみて下さい。その癖をやめるだけで前突が治ることもあります。
突出の度合が軽度で、少し歯が出ている程度なら、歯を抜かずに矯正できる場合もありますが、唇を閉じることが困難、意識しないと上下の唇が閉じないなどの場合は歯を抜いて矯正する場合が多いです。
歯を抜くか抜かないか
歯を抜くか抜かないかに関しては、主に横顔の顔ぼうを重視しています。
横から見て上の唇が突出していたり、上下の唇が閉じづらい場合は程度にもよりますが歯を抜いて矯正することが多くなります。
横顔の基準としては、Eラインといって鼻の先端と上唇の先端、そして下顎の最前突部を結ぶラインが一直線上になることが、見た目的に美しいと言われています。
歯を抜かずに矯正を希望される場合は、この前突感が残るかどうかを確認させていただいております。
突出した感じが残っても、歯を抜かないことを最優先させる親御さんもいらっしゃいますが、一般的には子供さんが大きくなると、突出感を気にする場合も多いです。
矯正を開始する時期ですが、まだ永久歯が少ししか生えてないお子さんの場合は、前歯の永久歯が上下4本ずつ生えるまでは経過観察していきます。
矯正のスタート時期
前歯の永久歯が4本生えそろった時点で矯正をスタートするのか、もう少し待ってからスタートするのかを相談の上診査判断します。
小学校4年生から6年生くらいのまだ乳歯が数本残っているお子さんの場合は、下顎を前の方に誘導するような装置を入れて、前突感を改善できる場合がよくあります。
中学生くらいまでは、下顎の成長発育が見込まれますので、なるべく早めの対応が必要です。
永久歯が生えそろう前に是非ご相談下さい。
成人の矯正
また成人の方は、顎の成長発育は終了していますので、主に歯の位置を動かすことにより前突を改善していきます。
歯を抜いて矯正することが多いですが、状態によっては抜かずに出来る場合もあります。
開始する年齢により装置や費用が変わってきます。
まずは早めにご相談下さい。
子供の歯が受け口のようなんですが…
歯科検診で受け口と言われたり、お母さん自身が子供の頃受け口で、矯正したことがあるという経験をされていると、
「この子は矯正は必要ないんだろうか。矯正するならいつ頃から始めればいいんだろうか…」
などと思われていませんか。
受け口(反対咬合)の開始時期
受け口(反対咬合)の場合、年齢によって治療開始期間や治療方法が変わってきます。
・~4歳頃まで
矯正を開始するにはまだ早すぎるので、5歳になるまで、または前歯が永久歯に生え変わる頃まで様子をみていきます。
5~6歳になったら一度検診に来られるといいでしょう。
・5~7歳頃
乳歯の時、受け口(反対咬合)でも、永久歯に生え変わった時に正常な咬み合わせになることがあります。
特に軽度の受け口の場合、永久歯に交換する時に永久歯の萌出方向によっては改善してしまうことがありますので、前歯が交換するまで待つことがあります。
しかし前歯が永久歯に生え変わっても反対咬合が残ってしまう場合も残念ながらよくあります。
永久歯の前歯が反対咬合になってしまったら、自然に治ることはあまり多くはありません。
そこで矯正を希望されている場合、そろそろ矯正を開始する時期になります。
また反対咬合が重度の場合は、手術を必要とすることもあるため専門の歯科医院に紹介させて頂くことがあります。
お子さんの反対咬合の程度により、装置はいろいろな種類があり、状態に最も通した装置を選択していきます。
・8~10歳頃
反対咬合の矯正治療をするベストな時期は小学校1~2年生前後ですが、程度によっては小学校3~4年生でも充分間に合う場合があります。
装置は年齢や程度により変わります。
どういう装置を使うかは診査の上決定します。
・中学生~成人
反対咬合の程度が軽い場合は通常の矯正治療で治せますが、程度が重い場合に限っては外科的手術が必要となる場合があり、専門の歯科医院へ紹介させて頂くことがあります。
受け口の場合、矯正開始するタイミングは重要です。
永久歯が全部生え揃ってからでは治療装置も複雑なものになり治療に限界が出てきます。
ベストタイミングは多くの場合小1~3年生の頃です。
ご心配であれば早めの相談をおすすめします。
矯正した後、きれいに並んだ歯はずっと維持できますか?
矯正装置で動かした歯は、装置を外したままにしておくと元の位置に後戻りすることがあります。
特に、装置を外してから6ヶ月程は歯が元の位置に戻ろうとする力が強いため、そのままにしておくと後戻りをすることが多くなります。
これを防ぐために、歯の位置が安定するまでおさえておく装置をつけます。
主に上の歯にはリテーナーと呼ばれる透明のマウスピースタイプの取り外し式装置を入れます。
装着後6ヶ月間は食事中と歯磨き時、プールや歯を食いしばるスポーツをする時以外はずっと装着します。
6ヶ月後からは2年間程、就寝時のみ装着になります。
外したままの期間が長いと(1週間程度)歯が動いてしまい、装置が入らなくなるので、忘れずに入れて下さい。
半年以上経つと、すり減ったり、穴が開くことがあります。
状態により再製作しますのでご連絡下さい。
下の歯には、前歯の裏側に、保定ワイヤーと呼ばれる取り外し不可の固定式の装置を装着します。
2~3年間はつけたままの状態になります。
ただし、下の親知らずがある場合には、親知らずの影響で歯が動いてしまう可能性もありますので、抜歯の相談をさせていただきます。
3年経過後も親知らずを抜歯されない場合には、歯の裏側の装置をつけたままになることもあります。
せっかくきれいになった歯並びです。
安定するまで頑張りましょう!!
外れた、歯ぐきにあたって痛い、ゆるくなった、などは早めに連絡して下さい。
芸能人はみんな歯の矯正をしているの?
必ずしもそうではありません。
ハリウッド俳優の トム・クルーズ が矯正装置をつけたままメディアに登場したり、日本女子マラソンのオリンピック選手が装置を付けて出場して、注目されたこともありました。
しかし、日本の芸能人が装置をつけたままでいるのを、TVで見かけることはほとんどありません。
それなのに、いつの間にか歯並びが整っていることがあるので、不思議に思う人もいるでしょう。
外からは見えない、歯の内側から装置を付けて矯正している場合や、透明なマウスピースを使って矯正している場合もありますが、一番多いと思われるケースが、歯を削り人工のさし歯をかぶせる方法です。
この方法の場合、矯正せずに早く前歯の形を揃えることができますが、歯を削る量がかなりある方法ですので、メリット、デメリットを知ることが必要です。
矯正治療は健康保険が効かないの?
基本的には利きませんが、医療費控除の対象になることはあります。
例外的に矯正治療で保険が利くものには、特殊な病気(厚生労働省が認定している2種のみ)
具体的には、
・外科的な処置が必要な顎変形症(上下の顎が大きくズレている状態)
・口唇、口蓋裂などの先天的咬合異常(唇や上あごが生まれつき割れている状態)
などがあります。
これらは、厚生労働省が「疾患」として認めたものであり、一般的な歯並びや噛み合わせの問題は「疾患」と認められていない為、健康保険が利きません。
ただし「美容目的の矯正」でなく、「咬み合わせの改善目的の矯正」は医療費控除の対象になりますので治療に関する領収書は大切に保管しておいて下さい。
矯正治療を途中でやめるとどうなるの?
矯正治療をしようと決めた皆さんは、
「歯並びをキレイにしたい」「咬み合わせを良くしたい」
など、それぞれに思い入れがあって治療を始められたと思います。
しかし、いざ治療を始めてみると様々な理由で途中で矯正治療をやめてしまう方も、残念ながらわずかにですがいらっしゃいます。
経験上、子供が小学校の時くらいに本人がやりたくないにもかかわらず、無理にすすめてしまうと中学校くらいで中断してしまうことがあります。
矯正治療はワイヤーなどで歯に力をかけて、理想的な位置に歯を動かしていきます。
歯は元々の位置に戻ろうと動く
歯を動かしている途中で矯正をやめると、歯は元々の位置に戻ろうと動いていきます。
これをといいます。
そのまま放置しておくと、元の問題のある歯並びに少しずつ戻ってしまいます。
元の歯並びよりも歯並びが悪くなったり、かみ合わせが中途半端に変わってしまうことなども考えられます。
また、歯を抜いてスペースを作りキレイに歯を並べる治療をすることがあります。
この場合は途中で治療を中断すると、抜いた分のスペースがそのままになってしまい、歯と歯の間にすき間が残ってしまいます。
歯の後戻りを防ぐためには、治療の最終段階で行う 保定 という処置を行わなければなりません。
矯正治療を成功させるために
そのため、矯正治療を成功させるためには中断することなく通っていただくことがとても大切です。
治療中は大変なこともありますが、治療の結果、手に入れる歯並びは、見た目の良さはもちろんのこと、清掃性が良くなることにより健康維持にとっても大きな収穫となります。
特にお子さんの場合は、家族や周りの方の協力で最後まで治療を続けていく患者様もいらっしゃいます。
また、結婚式やその他イベントで一時的に途中で矯正装置を外すことは可能です。
しかし、矯正装置を外している間に、歯が意図しない方向へ動いていってしまったり、治療期間が予定よりも長くなってしまうことも考えられます。
そのようなイベントの予定があらかじめ決まっている時は、治療が始まる前に主治医の先生にしっかりと相談することをおすすめします。
矯正装置は海外出張などで一時的に外すことはできる?
装置の種類によっては一時的に外すことができます
しかし、ブラケットという固定式の装置の場合、歯に直接装置をくっつけるため、一度つけると簡単に外すことはできません。
海外出張などで2~3年海外に行かれる場合は外すことはありますが、何度もつけたり外したりを繰り返すと歯にダメージを与える可能性があるため、あまりオススメはしません。
海外出張の予定があり、一時的に外すことが予想される場合は矯正治療を始める前に必ずご相談下さい。
また装置を外している間は歯の動きが止まってしまう他、意図しない方向へ動いてしまうことがあり、治療が遅れてしまう可能性があります。
当院では治療開始から1年以内に海外出張等で、装置を外す可能性がある場合は、わずかな移動の時か、子供の前歯のみの修正の時だけ治療に入っています。
1年以内に矯正治療が終了することはあまり無いからです。
中断の対応策
海外出張の予定が前もって分かっている時は次のような対応をさせて頂きます。
1、海外出張から帰ってきてから治療を始める
特に大人の方の場合は、数年で症状が大きく変わってしまう可能性は低いので帰国後の治療開始をオススメします。
2、出張先で矯正治療を行う
海外では日本とは保険制度が異なるため、まれに保険が適応できることもあるようです。
いくつか例をあげましたが、治療内容や仕事の都合など人それぞれ事情が異なります。
適切なアドバイスを受けるようにして下さい。
またこちらに、海外赴任が決まった時の注意点が書いてありますので、よければ参考にしてみて下さい。
矯正中にはどんなトラブルがありますか?
歯列矯正治療の際に起こる可能性があるトラブルには、以下のものがあります。
虫歯や歯肉炎、口内炎、歯や歯肉の痛み、器具の破損などが考えられます。
特にワイヤーをつけて行う矯正治療の場合、歯の表面につけているブラケットという器具やワイヤーの間に、食べ物のかすが残りやすいため、虫歯や歯肉炎になりやすくなります。
歯肉炎になると歯ぐきが腫れて出血しやすくなるため、余計に歯磨きがしづらくなり悪循環におちいります。
そうならないためにも、汚れが残りやすい所は念入りに歯ブラシをすることが大切です。
また、矯正中は装置が唇や頬に擦れて口内炎ができやすくなります。
これは装置に慣れてくると、できにくくなることが多いです。
治療中の痛みに関しては装置を交換したり、修正したり、または装置が壊れてしまった時に多いです。
装置の交換、修正時の痛みは2~3日で落ち着いてくる場合が多いです。
しかし、装置の破損、ワイヤーの飛出しで起こる痛みであれば、早めにご連絡下さい。
矯正中はお口の中のトラブルが起こりやすくなります。
上記以外にも、ご心配なこと、確認したいことがあれば、お気軽にご相談下さい。
治療中に食べられないものや治療によって虫歯になることはありませんか?
堅いおせんべいや氷のまるかじり、粘着性の強いキャラメルやガム等は、装置がこわれたりワイヤーが曲がったりするので、食べないようにして下さい。
注意する食品
また、装置の種類によっては、歯の表面に装置をつけるので、食べかすがつきやすく虫歯になりやすい環境になります。
歯磨きがきちんとできなくなるので、装置を付ける前にブラッシング実習をします。実習をすることで磨き方の癖や、この人はどこに細菌が付きやすいかなどが分かります。
歯の磨き方で虫歯のリスクが減る
装置を付けた後も、歯の磨き方で虫歯のリスクは減りますし、歯周病のリスクも減ります。
食べた後にうがいや歯磨きが出来る環境ならいいですが、その時によって出来ない時もあると思います。
食べ物の最後に甘い物で終わると虫歯になってしまうので、ジュースを飲んだ後は水やお茶を飲む、お菓子を食べた後はキシリトールのガムやタブレットを食べるなど、お口の中を虫歯になりにくい環境にしてみて下さい。
フッ素も虫歯予防にとても有効的なので、家庭用フッ素ジェルを使うことをオススメします。
大人でも矯正治療はできる?
矯正は何才からでも始めることができます。
ただし、重度の歯周病や虫歯等、歯や骨に大きな問題がある場合は難しいこともあります。
また、大人から始めた場合と、成長期の子供が始めた場合の違いはいくつかあります。
・抜歯をする可能性が高くなる
・成長期を過ぎると骨の代謝が下がるため歯の動くスピードが遅くなることがある
・骨が硬くなっていることも多く歯が動きづらいことがある
・子供よりも痛みを強く感じることがある
・がたつきが少ない場合、大人は目立たない透明のマウスピース矯正ができる
矯正を始める前には、矯正が可能かどうかの診査・診断が必要ですが、特に大人の場合は、治療をした歯についても注意が必要です。
かぶせた歯があったり、差し歯や金属のつながった歯がはいっていても可能なことが多いです。
ただし、歯の根にヒビが入っていたり、折れている場合には出来ないこともあります。
さらに、アゴの骨格的に問題がある場合(特に重度の受け口の時)は、矯正治療だけでは限界があり、外科的な治療と組み合わせる必要がある場合があります。
大人になってからも歯並びで悩んでいる方は、最初から諦めてしまうのではなく、まずはご相談下さい。
乳歯の時の歯並びは永久歯にも影響しますか?
よく、「乳歯の歯並びが悪いのですが、永久歯の歯並びもそのまま悪くなりますか?」という質問を受けます。
結論から言うと、乳歯の歯並びが悪い場合、やはり永久歯の歯並びも悪くなる場合が多いようです。
乳歯の時の歯並びは永久歯にも影響する?
理由は…
1、乳歯が本来抜けるべき時期より早く抜けてしまう
2、歯と顎の大きさのアンバランス(スペース不足)
3、遺伝
などが考えられます。
1、乳歯が本来抜けるべき時期より早く抜けてしまう
乳歯が虫歯などで本来抜けるべき時期よりも早く抜けてしまうと、隣の歯が傾いたり、寄ったりすることがあります。
そうなると、永久歯が正しい位置に生えてこれないことがあるため、永久歯の歯並びが悪くなります。
予防策として、まずは乳歯が虫歯にならないようにすることが大切です。
歯の保存が難しいくらいの大きな虫歯になってしまった場合、乳歯だからといってすぐに抜いてしまうのではなく、その歯がうまく活用できないか検討させて頂きます。
腫れや痛みがなければ、状態にもよりますがそのまま自然に抜けるのを待つ方がいい場合もあります。
2、歯と顎の大きさのアンバランス(スペース不足)
乳歯の段階で歯並びがデコボコしている場合、歯に対して顎の大きさが小さいことが考えられ、前歯上下4本づつが生え変わるまで経過を見る場合が多いです。
また治療に入るタイミングは状態によってかなり個人差がありますので、一度ご相談下さい。
3、遺伝
遺伝はおおいに関係があります。
特に顔が似ている親御さんに歯並びも似る傾向が報告されています。
ご相談の際は、お顔が似ている親御さんにも一緒に来院して頂くことをお勧めします。
欧米では矯正が当たり前なのでしょうか?
広く普及しています。
例えば、北欧では3人に1人の割合で矯正治療を経験しています。
その理由は、
- 欧米では、矯正装置をつけていることが教養があることの証しともとらえられ、歯並びが悪い事こそが恥ずかしいとされているため。
- 歯並びが悪いことが、むし歯や歯周病のリスクを高くすることを知っているため。(欧米では、むし歯や歯周病の治療費は、日本の約10倍かかる為、矯正をすることで、これらを予防しようという意識が高い)
- 日本と違い、矯正装置が恥ずかしいという意識が全ないため。(逆に、矯正装置をつけていることがステータスシンボルになっている)
※欧米の海外出張から日本に帰ってこられた患者さんが「むこう(欧米)では本当にみんな当たり前に矯正していますよ。」
とよく言われます。あらためて日本との意識の違いを感じます。
矯正が終わった後、数年後もう一度矯正をしたい場合の費用はどうなりますか?
上限が決まっている費用(丸子歯科)
当院で矯正治療をされた場合は上限が決まっています。(税別)
取り外し式の装置と固定式の装置は、矯正基本料(200,000円)と装置料(40,000円~300,000円)を合わせて500,000円が上限になります。(オプションは除く)
また、マウスピース式装置の場合は、基本料と装置料合わせて700,000円を越えた場合、各種装置料は越えた分から半額になります。(マウスピースの場合1セット20,000円)
マウスピースだけの場合でも、マウスピースと他の装置の組み合わせでも同じです。
従って当院で矯正治療をし、再度矯正を希望された場合は、それまでにかかった治療費と、上限の差額分の費用、そして管理調整料がかかります。(最初の矯正をスタートしてから10年以内の場合)
(マウスピース矯正は700,000円を越えた場合、その後装置料は半額になり、管理調整料はかかります。)
最初の矯正スタートから10年以上過ぎた場合は追加の費用がかかる場合がありますので、その時は相談致します。
他院で矯正をされていた方の場合は、通常の費用がかかりますが、海外からの帰国が早まり、装置が全部口の中についている場合は、装置料を半額にするなど、その程度と進行度によって相談させていただきます。
後戻り防止装置の装着
再度矯正を希望される方の多くは、保定装置(後戻り防止装置)をしっかり使わなかったり、定期検診に途中から来られなくなった方です。
それを予防するためにも、上の歯にはめるリテーナー(後戻り防止装置)は最低2年間はつけて下さい。
2年が経過した後も1週間に1~2回程度はめていると後戻りを防ぐことができます。
親知らずがあると、、、
また下の歯では(上下の場合もありますが)親知らずがあると、手前の歯を押してしまって、せっかくきれいに矯正した歯でも、また歯並びが悪くなることがあります。
下の歯にも後戻りを防止するための装置はつけますが、親知らずがある場合抜歯をする相談をさせていただく場合が多いです。
矯正をしていなくても歯は年齢とともに動いていきますが、後戻り防止装置を永く使うことにより、歯の動きを最小限にすることができます。
矯正期間中に妊娠しても大丈夫?
基本的には問題ありません。
ただし、妊娠された時には担当医にお伝え下さい。
妊娠中に矯正装置自体が問題になることはありません。
ただし、
・妊娠初期(0ヶ月~4ヶ月前半)
と
・臨月(9ヶ月後半~)
には、積極的に歯を動かしていく治療は念のためあまり行いません。
妊娠安定期で、主治医の産婦人科の先生の了承が得られた時には通常通りの矯正治療を行います。
つわりなどで治療中、口を開けているのが辛い場合などはその都度、対応させていただきます。
ただし妊娠が分かっている段階で矯正をスタートするのはあまりおすすめしていません。
理由として、つわり等、体調不良で通院が難しくなる場合があるからです。
矯正治療は痛みますか??
初めて装置をつけた時や、装置の調整でワイヤーを取り替えた時などは、歯が少し浮いたような痛みを感じます。
痛みの強さや、痛みが落ち着く期間は個人差がありますが、おおよそ3~5日で痛みはおさまります。
その間は、硬い物や弾力のある物は控えて下さい。
食事の内容もお肉だとステーキではなくて、ハンバーグにするなど調理をして工夫して食べるようにして下さい。
矯正装置は種類によって大きい物もあれば、小さくて細かいものもあります。
どの装置を入れても、初めはどうしても違和感がありますので、3日間くらいは様子を見て食事を選んでいただくといいと思います。
最近では、弾力性のある細い形状記憶合金のワイヤーを使って歯を動かし始めるので、痛みも少なくなってきました。
いずれにしても、小学校低学年のお子さんでも我慢できる程度の痛みですから、あまり神経質になる必要はありません。
目立たない矯正装置はありませんか?
歯の表面にワイヤーを装着する矯正装置は、口をあけた時に目立つので気になるという声をよく聞きます。
目立たない矯正装置を揃えています
丸子歯科では目立ちにくい矯正装置を幅広く取りそろえています。
取り扱っている装置は、お子さんの場合、主に取り外し式のプレートと呼ばれる透明な物を使用し、アゴの成長を手助けし、自然に歯並びを整える方法を用います。
この装置は取り外し可能であることと透明であるため、目立ちにくいものです。
小学校高学年から大人の方まで使用する装置
また主に小学校高学年から大人の方まで使用する装置では、ブラケットと呼ばれる歯の表面(外側)につけるものを半透明のセラミック製の物に変更することが可能です。
歯の色に近く、金属でできたブラケットに比べて目立ちにくいです。
さらに、ワイヤーの表面を白くコーティングしてあるホワイトワイヤーに変えることで、より目立ちにくくなります。
また、歯の裏側(舌側)の矯正装置(リンガルアーチタイプ)も使用しています。
歯の表面にワイヤーが出ないため、ほとんど目立ちません。
さらに、取り外しが可能な透明のマウスピースを用いた矯正も行っております。
この装置は必要な時に取り外しができ、透明なため入れていても周りの人からは、ほとんど分かりません。
矯正装置の種類、用途は様々です。
それぞれの患者さんの咬み合せ、歯並び、年齢などを考えたうえで、今の状態にあった装置を選び、治療をすすめていく方針です。
目立たない装置をご希望の場合は、ご相談時にお伝えいただければ変更可能なものであれば変更していきます。
分からないことがありましたら、ご相談下さい。